望まれる国葬 or 望まれぬ国葬

今月は、国葬が 2つ ある 特殊な月 になりました。

イギリスの エリザベス女王 と言わずと知れた 安倍元総理

 

イギリスの場合、「 国葬 」は、王室や特別な功労者を対象 に行われ、議会の承認が必要 です。

それとは別に、 女王の同意だけが要件 とされている、「 儀礼葬 」と呼ばれる 国葬に準じる葬儀 があります。

 

 

日本では、天皇陛下の葬儀は皇室典範で「 大喪の礼 」 を行う定めだが、 国葬については明確な定義はない

 

岸田首相は国会を開かず、安倍氏の国葬の実施を閣議で決定。

内閣府設置法が国の儀式を所掌しているので、内閣の会議(閣議)で決められると主張し続け結局、何ひとつ明確な説明 ( 国民が納得する説明 ) の無いまま葬儀は行われた。

 

報道では、満場一致で望まれる国葬を行う様に思われていたイギリスにも色々と問題が眠っている様です。

 

国葬中、エリザベス女王の棺の上に置かれていたのは、その王位を象徴する「大英帝国王冠」。

かつて 7つの海を支配し広大な植民地を有した「大英帝国」を巡る問題が今、表面化している様です。

 

実はイギリスの国王は、カナダやオーストラリア、カリブ海諸国など「イギリス連邦王国 = 14か国の国家元首」でもあります。

連邦王国の 1つ、カリブ海の島国アンティグア・バーブーダの首相は、「これは敵対行為ではなく、真の主権国家になるための最終段階で 3年以内に、イギリス国王を元首とすることを続けるかどうかを問う国民投票を実施する」意向を表明したのです。( 他の国も、何か動きがあるかも知れない・・・)

 

また 2022年 03月、当時のウィリアム王子が訪問した際、植民地時代の奴隷政策に抗議するデモが起きたジャマイカ。

そのジャマイカ出身のロンドン市民に、国葬について聞くと・・・
「 国葬には100%、反対です。ジャマイカは莫大な収入を英国王室に搾取されてきました」

 

こうした状況に、イギリスのエコノミスト誌は「女王の死は、上品かつ外交的な方法で英王室との関係を断絶する機会を提供した」と指摘しました。

 

利害や立場が違うと、意見も分かれる。

「 国葬 」と言うものの難しさが明確になった月です。

 

 

2022年 09月 30日

 

 

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