《 今だに絶えない陰謀説 》

陰謀説が絶えないその理由は、ひとえにウォーレン委員会の公式調査報告の内容が機密扱いになっていることや、証拠となる映像が少ない事だろう。

 

大統領一行がダラスに到着した時に、地元のラジオおよびテレビ局は空港での到着の模様は中継放送したが、市内パレードの中継はしなかった。(車列の後方の車に乗車した各メディアの記者やカメラマンを除いて)

そして目的地のダラス・トレードセンターの昼食会の会場にテレビカメラを設置して昼食会を中継する予定であった。

 

数少ない映像の中でも有名なのが、皆さんも一度は見た事があるだろう「ザプルーダー・フィルム(the Zapruder film)」だ。

ジョン・F・ケネディ大統領の車列を、エイブラハム・ザプルーダーがカラーで撮影した 8mmフィルム映像のことで、このフィルムは偶然にも、ケネディ大統領暗殺の瞬間を記録した映像となったことから、一躍有名になった。( 現在はアメリカ国立フィルム登録簿に登録されている )

 

 

ケネディの在任中はキューバ危機や米ソの宇宙開発競争、公民権運動の高まりなど多くの歴史的事件が発生していて、特にキューバ危機の対応においては「第三次世界大戦」と「米ソ全面核戦争」の危機を回避したと肯定的に評価する声が多い一方で、大統領選挙における不正やマフィアとの関係、マリリン・モンローをはじめとする複数の相手とのホワイトハウスでの不倫、ピッグス湾事件やベルリンの壁の建設における優柔不断な態度、ラテンアメリカ諸国に対する政治的干渉および軍事的干渉や、ベトナム戦争の拡大や枯葉剤の散布に対する批判的評価も同時に存在している。

 

就任当初からアメリカ国民に期待されていたケネディではあるが、こうした闇的な部分があればあるほど憶測をよび陰謀説に結びつくのだろう。

 

 

例えば・・・

 

  • 「暗殺が世界に与えた衝撃の大きさと、犯人像のバランスがつり合っていない」
  • 「世界のリーダーで、地球上最も権力を持っていたケネディを巨大組織ではなく、オズワルド 1人で暗殺できたのがおかしい」
  • 「なぜあの場所にジャック・ルビーが入れたのか? 実はオズワルドは無実で本当は巨大組織の口封じなのでは」
  • 「大統領選挙におけるケネディ陣営の資金集めや不正を手伝ったのに、関係を突然断った上に、ケネディ政権がロバートを中心にしてマフィアに対する壊滅作戦を進めたマフィア主犯説」
  • 「ピッグス湾事件の失敗によりキューバにおける利権を取り戻すことが永遠にできなくなった亡命キューバ人やマフィアが、実行部隊の遺族らと団結してケネディの暗殺を行った」
  • 「軍産複合体の意を受けた政府主犯説」は、「ケネディの南ベトナムからのアメリカ軍による軍事顧問団の縮小計画と、その後に予想された軍事顧問団の完全撤収が『軍産複合体の利益を損ねる』と恐れた政府の中の一部勢力(といっても大統領を暗殺という手段で交代させられる以上、事実上の影の政府機関ではないかと見る向きも多い)が、CIAなどの諜報機関の有力者に様々なお膳立てをさせた上で大統領の警備を弱体化して犯行に及んだ」
  • 「ベトナム戦争の早期完全撤退を検討する動きをしていたケネディを CIA が疎ましく思い犯行に及んだ」
  • 「テキサスマフィアがコナリー知事を暗殺しようとしたが、間違えてケネディを殺してしまった」
  • 「宇宙人の存在を明らかにしようとしたケネディを消そうとした 影の政府(ディープ・ステート)が主犯」

 

など・・・

色々と陰謀説につながる話は後を経たない。

 

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