人喰いバクテリア
" 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 " は、非常に重篤な細菌感染症。
溶血性レンサ球菌(溶連菌)は、いかにも恐ろしそうな名前がついていますが、健康な人の皮膚にも存在 する ありふれた細菌の一種 なのですが、粘膜や傷口から体内に侵入したりすると、炎症を起こし痛みの原因になることがあるそうです。
医療の世界では名称が長いので英語の「Streptococcal Toxic Shock Syndrome」の頭文字をとって「STSS」と呼ばれています。
そして、理由はわかっていないのですが、まれに、広い範囲の組織の壊死などを伴う「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」という状態を生み出すことがあります。
この状態が、まるでバクテリアに身体が食べられたかのような症状が急速に進行するので「人食いバクテリア」という俗名で呼ばれる事になったのだとか。(「溶連菌」自体が人食いバクテリアではなく、その感染によって症状が重い時の傷口の状態の見た目がそう呼ばれる要因で、溶連菌の他にも、人食いバクテリア(Flesh-Eating Bacteria)と呼ばれる状態を生み出す細菌は存在しているようです)
STSS は急速に低血圧、複数の臓器が機能不全に陥り、さらには死に至る可能性がある非常に厳しい感染症。
アメリカ CDCでの報告によると、積極的な治療にも関わらず、劇症型溶血性レンサ球菌感染症の死亡率は 30%~70%と非常に高い致死率で、9,557人を調査したアメリカの調査でもSTSSでの致死率は38%となっています。
日本では、去年は 941人なのに対して、今年は既に 891人 (去年同時期の 約2.8倍) のペースで増加しています。
手足の壊死などを引き起こし、致死率が30%以上に及ぶとも言われるこの感染症。
03月には韓国で日本への渡航を危ぶむ報道がされるなど海外からも注目されています。
では、なぜ感染が増加しているの?
過去最大のペースで患者数が増えている理由は、コロナなどの感染症対策の徹底が減って来ている事と、社会での接触が増える中で、溶連菌への感染が増え、「M1UK株」と言う新たな変異株が海外から入って来ていて、従来の毒素の 9倍で感染力が強く既に 4割近くがこの新しい株に置き換わっている事が要因とされている。
などの症状は「劇症型」の可能性があるので早めに医師に相談をすることが大切です。
感染経路は?
傷口からの感染が多いいが、感染経路が不明の場合も多い為、先月の医療マニュアル改正では、飛沫感染も追加されたと言う。
また局所や全身の免疫力が低下した時に出ることもわかっているので、
などは特に溶連菌感染に対して注意が必要です。
いわゆる「痛み止め」でなぜ STSS が発生しやすくなるかは正確なことはわかっていませんが、NSAIDs ( Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugsの略であり、非ステロイド性抗炎症薬 )の使用により炎症の兆候を弱めて診断が遅れることや、マウスの研究で NSAIDs の投与により筋肉内の溶連菌の数が増えていることなどが指摘されています
そもそも、傷などを負ってしまったら・・・
ウイルスや感染症と次から次に新たな脅威が現れて、ホントに精神的に疲れるなぁ〜。
でも病気にもなりたく無いし・・・
粛々とマスクやうがい・手洗いを行いますか・・・ふぅ〜。
2024年 05月 30日
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