今月の1枚 : 2024.12

" Eddie would go "

エドワード・ライアン・アイカウ

（Edward Ryan Aikau, 1946年05月04日 -1978年03月17日）

は、ハワイマウイ島出身の伝説的なライフガードであり、サーファーである。

カメハメハ王朝の神官（カフナ。エディ・アイカウはカメハメハ 1世の政治を支える、ヘヴァヘヴァという最高位のカフナである、カフナ・ヌイの血筋）の家系に生まれ、幼少時からサーフィンに熱中し、オアフ島のノースショアでビッグウェーヴ・サーフィンが流行すると、若くして超一流のビッグウェーヴ・サーファーとして頭角を表し、その実績が認められてホノルル郡当局から、ノースショアの初代ライフガードに任命された。

当時はリーシュコードをしないでサーフィンをすることが一般的だったので、サーフボードを流してしまうと強烈なカレントに流される事故が多発していた。一説によれば、彼は 500件以上の水難救助をして、溺死者を 1人も出さなかったという。

サーフィン競技にも積極的に取り組み、デューク・カハナモクに次ぐ先住ハワイ人系プロサーファーの先駆けとなる。

デューク・カハナモク・インヴィテーショナル・サーフィン・チャンピオンシップス（通称 " The Duke " ）で、1966年から1974年まで連続してファイナリストに残り1977年には後に世界チャンピオンになるマーク・リチャーズとウェイン・バーソロミュー、そしてデーン・ケアロハを抑えて優勝している。

世界ランキングの最高位は12位。また彼の写真は米ライフ誌や、バンクオブアメリカの広告キャンペーンでも使用された。

1978年、古代のアウトリガーカヌーを復元した「ホクレア号」に乗り込み、風と波の力だけでタヒチまで航海する一大プロジェクトに参加するが、船は嵐に遭遇してしまいモロカイ海峡で遭難してしまう。

転覆したカヌーにしがみつく乗組員は、絶望的な状況の中、仲間を助けるために、サーフボードでラナイ島までパドルで横断しようとする彼に乗組員は、遠洋を航海した古代の人たちのように波に乗る姿を黙って見送ったと言う。

それが彼の最後の姿となってしまった。

彼の英雄的な行動と悲劇的な最期は、ハワイ中の人々の心に刻まれ、今でも大きな影響を与えています。

1986年より、彼の功績を称え、彼の名前が大会名になっているビッグウェーヴサーフィンの大会、 " クイックシルバー・イン・メモリー・オブ・エディ・アイカウ " （通称 " The Eddie " ) が不定期で今でも開催されている。

( 現在は、" ザ・エディ・アイカウ・ビッグ・ウェーブ・インビテーショナル " と名称が変更されている )

なぜ、不定期かと言うと、彼がこよなく愛したノースショアのワイメア・ベイで、期間中に波の高さが常に 30フィートに達していなければ大会は開催されないのです。

そして、この大会は誰でも出場できる訳ではなく招待選手のみで進行され、今年は 40人のサーファーと 23人の補欠選手(オルタネイト)が招待されました。だから過去 40年間で 10回しか開催されていないと言うちょっとレアな大会でもあるのです。

エディが帰らぬ人となり、メモリアルコンテストが開かれた時、ワイメア・ベイがクローズアウトで波が大きくなりすぎて開催が検討されているときに、選手の 1人マーク・フーがインタビューで「エディならきっと行ったぜ」と答えたそうだ。

これが、彼の生き方を称えたフレーズとなり " Eddie would go ( エディなら行くぜ ) " と言う、ハワイでは広く知られる言葉となったのです。

今年の開催期間は、2024年 12月 14日 (土) 〜 2025年 03月 14日 (金)